川に石、それから地味な温泉と
栃木県の川治温泉に行ったとき。
個人的にはこういうところに引きこもり、お酒飲んでお蕎麦食べてゴロゴロ本読んでいたい。引き続き、つげ氏の世界(今回は漫画)を紹介
10年以上前に買ったNikonのちょっとよい(高い)コンデジだけど、結構よく写っているかなと自己満足。しかし、インスタ映えはしない。
「ほかいびと・伊那の井月」に関するネタが寄ってくる
自分は長編好きなのだが、ときに切れ味鋭い感じの短編に遭遇すると鼻血が出そうなほど興奮する(って生まれて今まで鼻血を出したことないので推測)。
10作品から構成されていたが、鼻血が出そうなほど(興奮感じたの)は「鳥師」で、何かに呼ばれている?と思ったのは「蒸発」。後者は、江戸時代末期に長野県伊那に現れた俳諧師・井月(せいげつ)の話だが、これは田端文士村の芥川にも関連するネタで、近頃この話題が自分の目に留まる。
- 魚石
- 近所の景色
- 散歩の日々
- ある無名作家
- 石を売る
- 無能の人
- 鳥師
- 探石行
- カメラを売る
- 蒸発
「鳥師」から
ひと口に飼鳥といっても
玄人筋にうける
名鳥はそうざらにいるもんじゃない名鳥に育てるのが
鳥師の腕の見せ処だけど
腕だけで名鳥に
なるとは限らない
鳥にも天性の
素質というやつが
あるんだ
この回でのメイン・キャラクターが鳥師について語る。
蛇師の手で
追い出したんだ指の第一関節
が五本揃って
直角に
曲がるんだ
そして「あとがき」ではつげ氏も
ウンチクを語るためにちょっと言葉が多すぎてしまてページが足りない。もっと大コマでやりたいところをどんどん詰めちゃっているんです。
と、いろいろ語ってますが、最後(結末)がいいん(自分好みなん)だなぁ。
「探石行」では、あぶく銭で家族旅行兼石探しに行くのだが… どうしても貧乏っぽさがにじみ出る。上の写真のように地味はいいが貧乏はいやだ。
しかし
こういう
ヨロクみたいな
金だから
無かったものと
思って商売に
投資してみたい
と石を探しに家族で旅(温泉旅行)に出かける。とは言いつつ、八王子で
少し山の方へ
入ると安い
鉱泉宿もある
全体に、古本だったり石だったりカメラだったりとご本人と少しキャラ被った主人公が生活のため、ある世界に身を任せようともがく様子が描かれていた。
しかし「蒸発」では
「いずれ続編を描く予定です。(略)井月をじかに見知っている事実資料に創作を加える余地はなく、資料負けでした」と。
不完全燃焼で終わっている。自分はまだまだ井月の世界に共感を感じられないが、つげ氏は見過ごせない何かを感じていたのかなと。
ところで、井月とは?
(諸般の事情があって)伊那行きたいと思っている。なんだか読めば読むほど(掘れば掘るほど)気になることがらに出会ってつながってゆくよ。