入船(秩父)ひっそりと静かに暮らしの中に生きる店
秩父にはちょくちょく行くので、寄ってみることにした。
参考にした1冊がこちら。
「もっとソバ屋で憩うーきっと満足123店ー」
杉浦日向子とソ連編著(新潮文庫)
運よく待たずに入店できた。暑いのに、みな辛抱強く外で待つくらいだから、やっぱりそれなりの味なのである。
浅見孝志、正志の兄弟に弟の嫁が加わった三人の家族でやっている。
胡桃を練り込んだ胡桃蕎麦、お薦めの一品。
という解説に違わず、東京で食べる蕎麦と少し異なると感じたのは、胡桃のせいだったのかも。はっきり言って、また食べたい。
蕎麦前も魅力だが自分はやっぱり蕎麦の味が気になる
ざっくり本書の構成は次の項目でまとめられ、
- 特撰五店
- 東京都心のソバ屋
- 深夜に食べるソバ屋
- 東京近郊のソバ屋
- 旅先”東”で出会ったソバ屋
- 旅先”西”で出会ったソバ屋
ところどころに、杉浦女史によるコラムがはさまっている。ちなみに、選ばれた5店舗は
え!地元の知っているお店(鞍馬)が名を連ねていると嬉しい。
「鞍馬」については杉浦女史が解説しており、
もともと、もりとは「皿盛り」の略で、ソバ切りの初期の姿だった。このときソバ猪口はなく、盛った皿ソバの上からつゆをかけ回した。江戸のころのソバ屋は、小あがりだけでテーブルはない。皿を持ち上げれば、ゆつがこぼれるから前かがみにつっぷして食した。だから若い娘はソバ好きでもなかなか注文できなかった。そんあ格好をすれば、お尻が丸々後方席の鑑賞の的となってしまうからだ。
と豆知識を披露している。そして、店主の談として
平成六年十一月より店内製粉室増設にともない、石抜き、磨き(精米機)、粒揃え、皮むきを経て、石臼にて製粉まで全行程を一貫して自家内で作業し、こうして出来上がりました蕎麦粉を水まわししてまとめあげ、のし、切り、の後皆様に召し上がっていただいております。
また杉浦女史による「そばがき」の談。
ともあれ、そばがきは、ソバのキトキト・ライヴである。どんな形であれ、供し方であれ、一秒ごとに艶も弾力もキメも褪せる。
生き物としてのソバを、これほどあからさまに感じられるカタチもないだろう。
そうだ。そばがきだ。
この本で紹介されている店、それなりに知っているところも多く、他にもいろいろ食べ歩いているので、よければ!