旺文社文庫から、こういう1冊あるんだ(驚き)!ということで、見つけたら即買いであった。
文庫概要
タイトル | 絵本中華食三昧 |
著者 | 島尾伸三 |
出版社 | 旺文社文庫 |
カバー構成 SALT
プロダクション? クリエイティブな集団?だったのでしょうか。
島尾伸三氏は言わずもがな、「死の棘」島尾敏雄&島尾ミホご夫婦の息子さんで、しまおまほ女史のお父さんです。
奥さまの潮田登久子さんも写真家で、こちらのご夫婦は、雑多でキッチュなものをまとめる手腕が素敵だと常々思う。
写真家の食卓 vol.5 潮田登久子×島尾伸三×しまおまほ×梅佳代(前編)
写真家の食卓 vol.5 潮田登久子×島尾伸三×しまおまほ×梅佳代(後編)
この写真展、見に行きたいと思っていたのに… 短い期間ですた。
『マイハズバンド』を出版した潮田登久子の40年間変わらない「写真」との関係
内容紹介
1986年初版、撮り下ろし&書き下ろしの1冊でしょうか。
著者の性格を反映するように、一般市民の生活に根ざした出来事とそれに関わる食の紹介写真と文章で構成されているフォトエッセイ風?の文庫。つい文章より、写真に見入ってしまう。すっかり近代化(と言ったら上から目線的でもあるけど…)日本と大して変わらない?風景になりつつある中国だけど、それ以前の近代化のカケラもなくても、人間臭いっぱいのキュッチェな中国が満載である。
広東語のタイトルと発音がついているのだが、表示できない漢字もあると思われるので、カッコがきで記載されている日本語を掲載しておく。
- 序文
- 懐妊
- 出産
- 出産祝い
- 赤ちゃん
- 教育
- 買い食い
- スモーキング・ブギ
- 思春期
- ディスコ
- サンドイッチ
- かまどの神
- 正月
- お客様各位
- レストラン
- 五月五日
- 七月七日
- 農民の幸せ
- ベスト・カップル
- 二人の愛はいつまでも
- 必需品七点
- おふくろの味
- のこりもの
- ムーン・ケーキ
- 自由市場
- 牛に琴を聞かせる
- 商売
- 天にあって、今はもう地上にない
- 忘れられぬ味
- カクテル
- お酒で酔っているわけじゃない
- 熱気を冷ます
- 死のお茶会
- チャイニーズ・スナック
- 地獄銀行
- あとがき
著者的話(チュチェテイクワー)あとがき
どの章も解説的な文章で写真も記録的ですが、こうして蓄積されてみると読み応えのある1冊に仕上がっているから不思議。
(略)こんな具合にしながら、少しずつ中華料理について色んなことを知るようになりました。私の友人、知人はみな私よりもはるかに若くて、その御両親たちも平凡な暮しの人ばかりですので、あまり難しい事は知りません。この本のタイトルを「中華食三昧」にしようと思っていると言うと、「そんな中国語は無い」などと言い出すしまつです。
以上、「あとがき」から抜粋してみた。
この1冊でした(Amazon)
もはや絶版の旺文社文庫だけに、未だ活況な新潮文庫の似たような1冊を紹介することに。無責任発言で恐縮ですが、叶うことなら現在中国を著者夫婦により同じ視点でまとめたのを読んでみたい。