「すべての雑貨」著者も地面から浮いているらしい
本当はFALL店主にお願いして店内を撮影したい気持ちもあったのだが、結局許可なく(?)外観というよりこちらを撮影。
この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
「すべての雑貨」三品輝起
何か… 自分、夜の撮影って全くわかってないけど、カメラの性能のおかげで撮ってしまう。
されど雑貨としがない人生?
正直、雑貨について何を語るのだろう… だけど、逆にそれに引きづられて読んでみたところ、期待を裏切らなかった。
こんな感じに悪くも良くも雑貨を捉えてしまう。
最初はいやいや足を運んでいたのだが、あるときから、ここほど雑貨のもつ貪欲な生がむきだされている世界もないだろうという、別の関心がめばえてきた。
雑貨や雑誌、雑草… どれも貪欲である。
西荻ご近所なので、週末などよく足を運ぶ。「資本主義の幽霊たち」と例えてユーモアで描いてくれた。
彼らはもうかってないはずなのに、淘汰されない。まさに資本主義の幽霊たちである。そういったたぐいの店主は、地面から一センチくらい浮いているのですぐにわかる。西荻窪にもたくさんいて、最近、私もちょっと浮いている。
自分は好きで、昭和のエッセイよく読むが、これは今の時代だから書けるエッセイだと思った。モノに満たされた現在の感覚だと。そして、そんな雑貨に振り回される?自分を
毎週挨拶して、搬入して、搬出して、さよならをくりかえしていると、人として大切なものが着実にすりへっていくのだ。鏡に映る私は、三十歳目前の不安な男のつらをとおりこし、左右非対称のなんだか奇妙な顔つきになっていった。
と言うが、これはサラリーマン生活にも当てはまる。私だって、割といつもスレスレのところで留まっている感じはある。
Anyway, 本自体のたたずまいもいい感じなので、何かに疲れるとパラパラめくって拾い読みして和んでいる。
この1冊でした
書影がないようなので、手持ちから。