作家の生き方=孤高と捉えて
読んでる最中に「あの画像を掲載しよう!」と閃いたのに、メモせず忘れてしまった…。そのため、画像選択に悩んでしまったけど、「孤高に生きている雰囲気」という独断と偏見で1羽の白鷺にしてみた。
孤高な雰囲気、出ているかな?
本のタイトル | 作家の生きかた |
著者名 | 池内紀 |
出版社 | 集英社文庫 |
エッセイストとしての著作に味わいが
好きなエッセイストでドイツ文学者、温泉や散歩の達人でもあったけど、残念なことに早くも2019年に(それでも78歳)で亡くなった。
ドイツ文学者だけど、愛読した作家について語った文章だけど、やはり好きは連動するのか自分も愛読している文筆家が多いことに少し驚いた。
特に吉田健一、井伏鱒二、洲之内徹、田中小実昌などの名があることが嬉しくもあり、三田村鳶魚、堀口大學、正岡容、寺山修司らは、やっぱり読まねばならぬとか思ったり。
ラインナップは以下のとおり。
- 「借金」内田百閒
- 「飲み助」吉田健一
- 「心中」太宰治
- 「病気」堀辰雄
- 「妬み」芥川龍之介
- 「退屈」坂口安吾
- 「借用」井伏鱒二
- 「貧乏」林芙美子
- 「反復」小川未明
- 「気まぐれ」洲之内徹
- 「おかし男」長谷川四郎
- 「雑学」植草甚一
- 「小言」三田村鳶魚
- 「かたり」柴田錬三郎
- 「腹話術」堀口大學
- 「子沢山」与謝野晶子
- 「メランコリー」若山牧水
- 「偏屈」正岡容
- 「ホラ」寺山修司
- 「生きのびる」田中小実昌
「飲み助」吉田健一では、語る文章を読むとお酒を楽しむ幸せが読んでいてたのしい。
「こういう献立から見ても、スペインは文化の程度が高い国ではないかと思う」
この飲み助は、酒がまさしく文化の華であることを、いちはやく身をもって体験していた。
「借用」井伏鱒二に限ったことではないが、なぜ著者がその作家を愛読したのか、その本質をタイトルで伺えることも読み易い。
この人は「巨匠」などと呼ばれるタイプでは決してなくて、繊細な神経と傷つきやすい魂をもったマイナー・ポエトの一人だった。もともと息の短い短篇作家であって、長篇のおおかたは借用の技法でつくられている。
この1冊をきっかけに、また再読したい・読んでみたい作家、そして池内氏の他の著作も読みたくなった。やっぱり自分、読書好きだ。