真田太平記の舞台でもある信州・別所温泉へ再び
別所温泉再訪でもっと真田家物語を味わいたい
池波正太郎「真田太平記」を読む読まないでは、別所温泉の味わい方も異なるなと。
画像は別所温泉・常楽寺の境内。ふとした光景に、今の時代を忘れることができそうだ。
再訪するには温泉が気持ちよい、寒い時期がいいのだろうか。
この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
「真田太平記」第二巻・秘密
池波正太郎(新潮文庫)
大河物語は多くの伏線が張られてゆくのがよい
500ページ超の文庫本が12巻の大長編でも、着実にストーリーは前進している。さくさく読めるのが、やっぱり技なのか。
川中島の戦いで有名な2人を知ってはいたが、それと織田信長を関連づける発想を自分は気づかなかった。
武田信玄・上杉謙信ほどの英傑が、天下人たるべき器量と実力をそなえていながら、ついに、ちからつきて、若い織田信長の独走をゆるしたのは、(略)このように、風土は、国と人とに強い影響をあたえずにはおかぬ。
人が風土から受ける影響は大きいと思う。それをキャラクターの性格に反映させている部分に読み応えを感じる。
「どうだ、佐平次。あれで、まだ、十三の子供よ」(略)
まさに、巨(おお)きい。
顔は塗り笠に隠れて、よく見えなかったが、どう見ても、
(あれは、子供の躰つきではない……)
実在した人物か否かは知らぬが、真田源二郎(後の幸村)の従兄弟で「角兵衛」と老けた子供が登場する。かなり濃いキャラクターで、ヒゲ?とか生えているっぽい。
上記は、源二郎が部下の佐平次に言った言葉。
こういうところに、真田源二郎という十七歳の若者の、恐ろしいまでに鋭敏な洞察力を見ることができる。
一方、その源二郎も神格化しつつあるなと。まあ、細かいことに触れず、主要な主人公が凡人ではつまらない。そして、上のものが下のもの(特に忍びの者)へ命令すると忍びの者が吐く言葉
「心得(こころえ)まいた」
に自分はハマった。職場でも使ってみたいが、周囲にひかれる。斬新な謙譲語かなと。
頭も胸も重い。
(別所の湯へ、ひたって来よう)
と、おもいたったのである。
そうして登場人物は何かあると別所温泉に来て、トロける(!?)思いをする。第一巻では佐平次が、そして第二巻では源二郎がいい思いをば。それにしても、第二巻はほぼほぼ源二郎が中心であったな。
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この1冊でした
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