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「犬は吠えるⅠ・Ⅱ」ハヤカワepi文庫
サブタイトルとして「犬は吠えるⅠ」「犬は吠えるⅡ」とある。
タイトル | Ⅰ「ローカル・カラー/観察日記」 Ⅱ「詩神の声聞こゆ」 |
著者 | トルーマン・カポーティ |
訳者 | 小田島雄志 |
出版社 | ハヤカワepi文庫 |
Ⅰの方は、「ローカル・カラー」というタイトルに相応しく、ヨーロッパ滞在時のローカル(地元)での生活エッセイである。これまで自分が気が付かなかったカポーティの一面がうかがえて興味深かった。
一方、Ⅱの「詩神の声聞こゆ」は
オール黒人キャストのミュージカル『ポギーとベス』の公演を、冷戦下のソ連で成功させるべく奮闘するアメリカの劇団とともに過ごしたどたばたの日々を熱気たっぷりに描く著者初のノンフィクション・ノヴェル
とあるような内容だけど、特出すべき点は「冷戦下のソ連」という点だと思う。いつの時代でも、ソ連(ロシア)と中国のびっくり仰天な対応とそれへの応酬で小説できそうだなと。
で、ツイートにあるように2022/7/18まで大阪中之島美術館で開催のモディリアーニ展、実はグレタ・ガルボ所有の作品も展示だれていたのです。
Ⅰには、カポーティがグレタ・ガルボに言及している部分がある。早くに芸能界から身を引いてしまった女優だけど、残された多くの時間において何をして過ごしていたのか… カポーティが綴った彼女の様子は、どちらかと言えば辛辣ではある。まあ、人の人生はそれぞれだから、他人(特に自分)がどうこう言える立場ではない。
だけど、かつてはガルボの部屋にあった作品を生で見ることができるのは嬉しい限りである。
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「カポーティ短篇集」ちくま文庫
独断と偏見だが、ちくま文庫はずるいと思う。
こういう魅力的なアンソロジーばかり出版するから、欲しくなる。
が、実は上述のハヤカワ文庫と被る作品も多く、個人的にはカポーティ作品を俯瞰したこの文庫よりも、テーマを限ったハヤカワ文庫の方が気に入っている。
訳者も異なるけど、お二人ともカポーティ作品には適切な方なのではと思っている。
タイトル | カポーティ短篇集 |
訳者 | 河野一郎 |
出版社 | ちくま文庫 |
- 楽園への小道
- ヨーロッパへ
- イスキア
- スペイン縦断の旅
- フォンターナ・ヴェッキア
- ローラ
- ジョーンズ氏
- もてなし
- 窓辺の灯
- くららキララ
- 銀の酒瓶
- 無頭の鷹
この1冊でした(Amazon)
他にはこんな作品を読んでいた
もちろん、「冷血」読んでるよ。再読しなければ!
カポーティは本当に不思議な感じというより、感じる能力が人よりも繊細過ぎて、それでいてそれを文章にするのが卓越な方だったのではと思っている。