東京杉並と富山高岡に住んでいた棟方志功
版画家青森出身の棟方志功氏はうちの近所(東京都杉並区)に住んでいたが、富山県高岡に住む親友宅の近所に疎開していた。自分はこの春、たまたまその単線に乗って友人宅へ遊びに行きました。
氏の作品には馴染みがあったが、版画に対する思いは何も知らなかった。疎開先で滞在した信心深い富山県の地で、志功さんは多くのことを感じたようである。
この写真にちなんで、こちらを紹介したい。
「板極道」棟方志功(中公文庫)
大人はどこまで無意識の境地になれるのか
比較的若く、まだ上京する前に地元青森を旅行した時に思った一文から。
一生一ツ家で生まれ、一ツ家で暮し、そうして、この家で死ぬという人がいるのです。青森市を見たい、汽車を見て死にたいと願う人の生きている哀れさ、哀しさ。そういう想いが姿になって、身に入ってくるのです。
芸術家のこういう感性、非常に良いと思ってます。
この後、大至急お寺に戻り、インスピレーションに導かれるまま制作を行うのですが、誰でも彼でもできることではないなと。長嶋監督の「ボールが飛んで来たら、カーンと打つ」と同じ境地かもと。
沖縄旅行でも、かの地の壷焼きについて
自然で慾がなく、自分が、という個が入らない絵であり色なので、和合となり円満となり無所得の絵となって尊いのでありました。
その自然なままの絵付けを称してますが、そういう境地はやっぱり、できそうでできるものではない。
一貫して、なすがまま感じたことを作品に反映させていること、とても理解できました。他は意外に(失礼ですが)多くのセレブとの接点や活動の話が多く、文章に嫌味はないですが、残念ながら読んでいて面白いものではなかったかな…。
それでも、氏の作品は好きです。